Passage Indexing(パッセージインデキシング)とは?SEO対策やランキングシステムへの影響(追記あり)

Passage Indexingは端的にいえば、ニッチなクエリに対する関連性の高い情報をページ内の文節レベルでインデックスする技術です。
2019年、自然言語の理解にBERTモデルを導入したことで注目を集めたGoogleのアップデートですが、今回のアップデートはSEO対策やランキングシステムに何らかの影響を与えるのでしょうか。
この記事では「Search On 2020」での言及を参考にしながら、Passage Indexingの影響力について解説・考察を加えていきます。
Passage Indexing(Passage-Based Indexing)とは
Passage Indexing(Passage-Based Indexing)とは、Googleが導入したランキング要素のことです。
Passage Indexing(パッセージインデキシング)の導入によって、Googleの検索エンジンはページ内の特定の一部分(一文や段落)を評価して、ニッチなクエリに対する関連性を評表示できるようになりました。
インデックスシステムの変更ではありません。
Passage Indexingは、Googleが2020年10月15日にオンラインで開催した「Search On 2020」にて、Cathy Edwards氏によって言及されています。
今回のPassage Indexing導入を支えているのは、昨年Googleが発表したBERTモデルです。
BERTモデルでは前後の単語を認識し、特定の単語の完全な文脈を考慮する自然言語理解の技術といえます。BERTモデルについては動画の7:40付近から解説があるため参考にしてみてください。
Passage Indexing導入後の検索エンジン
Passage Indexingは米国を皮切りに11月から導入が進んでいます。
しかし、Passage Indexing導入後の検索エンジンでは、ニッチなクエリに対して関連性の高い情報を一文(文節)レベルで評価し表示できるようになります。
たとえば「ニッチな果物」についてのクエリがあった場合、従来のSEO対策の考え方からすれば、「ニッチな果物」をテーマとして設定したページが上位表示される傾向にありました。
なぜなら、検索エンジンはクエリとの関連性を、個々の単語・文章よりもページ全体として判断していたからです。
しかし、Passage Indexing導入後は「果物全般」を紹介するページの中に、ニッチなクエリに対する関連性の高い情報が埋もれていた場合、探し出して検索結果に反映させることができるようになります。
Passage Indexingのような技術が導入された背景には、日々新たなクエリが検索エンジン上で入力されているからと推測できます。
動画内ではPrabhakar Raghavan氏が「1日15%のクエリが初めて見る内容」と言及しているのが確認できます。
Passage IndexingがSEO対策に与える影響
Passage Indexingの目的は「埋もれていた情報をニッチなクエリと結びつけること」にあります。
したがって、ターゲットキーワードやトピックに対して最適な見出しを組み、適切な量の情報を網羅する従来のSEO対策を続けて問題ありません。
つまり、「Passage Indexing SEOといった特別な対応は必要ない」です。
とはいえ、Passage Indexingは埋もれた情報をインデックスするのに役立つため、「これまでSEO対策に力を入れていないが、質の高い情報を記載していたページを上位表示させる可能性がある」と推測できます。
SEO対策を変化させる必要はないが、SEOへの影響は多少あると考えるのが正しい認識です。
Passage Indexingはインデックスシステムの変更ではない
Passage Indexingはランキングシステム改良のために導入されたランキング要因の1つであるため、インデックスシステムの変更ではありません。Googleの検索エンジンのインデックス単位はこれまで通り「ページ単位」となります。
Passage Indexingの導入で検索クエリの7%が改善
米国から導入予定のPassage Indexingについて、Cathy Edwards氏は動画内の19:00付近で以下のように言及しています。
翻訳すると、「この技術により、すべての言語で検索クエリの7%が改善されます。そしてそれは始まりに過ぎません」となります。つまり、全体の検索クエリのうち7%に改善がみられ、今後も改善が進んでいくと解釈できます。
ニッチなクエリに対して関連性の高い一文(文節)が探し出せるようになることは、これまで大小複数の検索ボリュームからユーザー流入を獲得していたクエリの流入数に変動が起こる可能性があります。
反対に、流入が少ない(もしくは無かった)クエリからのユーザー流入も想定されるため、Google Search Consoleなどのアクセス解析ツールで、「アクセス推移」「流入クエリ」を調査し、対策を講じる必要があるでしょう。
強調スニペットとの違い
強調スニペットはページ内の特定部分を抽出し、検索結果画面に上位表示させる仕組みです。
Passage Indexingはランキング要因の1つであり、ニッチなクエリに対する文節レベルで評価し表示する仕組みです。
どちらも検索エンジンの質を高めるものですが、実装や導入の目的が異なる点に違いがあります。
関連記事:強調スニペットとは?表示させるための4つの対策方法
まとめ
Passage Indexingが導入されたからといって、自社で行うSEO対策を変化させる必要はありません。なぜなら、Passage Indexingの目的は、ニッチなクエリに対する関連性の高い情報をページ内の膨大な情報から探し出すことにあるからです。
Passage Indexingの導入によって、Googleの検索エンジンは「干し草の山から針を探し出せるようになった」と覚えておきましょう。
【追記】Passage Rankingを英語検索で導入開始
Passage Indexingという名称が“Passage Ranking(パッセージ ランキング)”に変更になり、2021年2月12日より英語検索で導入が開始いたしました。
現時点で分かっているポイントについて下記の記事でご紹介いたします。
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