離脱率とは?直帰率との違いや改善方法を細かく解説!

離脱率とは、ユーザーがWebサイトのページから離脱する割合を意味しています。
離脱率を指標とした改善施策までは知らないWeb担当者もいることでしょう。
そこで今回は、離脱率の改善が必要なページの見つけ方、具体的な改善方法について解説していきます。
離脱率とは
離脱率とは、Webサイト内の全セッションのうち、ユーザーが検索行動を終了した割合をページごとに数値化したものです。Googleはアナリティクスヘルプの中で、以下のように定義しています。
引用元:Googleアナリティクスヘルプ
ユーザーが検索行動を終了してWebサイトから出ることを「離脱」といい、ページ別に離脱の割合を測ることで離脱率が算出できます。
Webサイトに流入したユーザーは必ずどこかのページで検索行動を終了するため、全てのページ離脱率を足せば理論上100%となります。
直帰率との違い
直帰率とは、ユーザーが訪問したページだけを見てそのままWebサイトから離脱する割合のことを指します。
特定ページに流入したユーザーが、サイト内の他の記事に遷移することなく離脱することを「直帰」といいます。
直帰の割合が極端に高い場合は、作成したコンテンツがユーザーニーズにマッチしていない可能性が疑われます。
直帰率は「Webサイト全体」や「ページごと」で算出することが可能なため、アクセス解析ではページ改善の指標として機能します。
直帰率の計算式や改善方法を知りたい方はこちらのページから確認してください。
離脱率の計算式
全セッションを対象とする離脱率は、以下の方法で算出できます。
例として、Aページの離脱率を算出する場合の計算方法を記載します。
- 任意の期間におけるAページの離脱数を算出
- 任意の期間におけるAページの総PV数を算出
- 計算式に当てはめて出た値に100をかける
Aページの離脱数が5、総PV数が10の場合は「5÷10=0.5」となるため、100をかけて離脱率50%と算出できます。
離脱率の平均
離脱率は、Webサイトのページ状況を把握するために有用な指標となりますが、離脱率の平均は無いといえます。
なぜなら、離脱率を算出するページごとの特定によって離脱率は上下するものであり、ある値以上であれば良く、以下であれば悪いといった判断ができないからです。
たとえば、以下のようなページは離脱率が高くなる傾向にあると推測できます。
- 商品・サービス購入画面:コンバージョン後は「購入確認画面」などへ遷移する確率が高い
- フォーム送信完了画面:次に取るべき行動がないためブラウザを閉じやすい
- 特定ページへの誘導を目的とした記事:ページ外へ遷移させる(離脱させる)ことが目的
「特定ページへの誘導を目的とした記事」の離脱率が高い時は、離脱したユーザーの遷移先を確認しましょう。意図するページへの遷移が実現しているかどうかを調べることで、コンテンツを改善すべきかどうかの判断が可能です。
離脱率を改善すべきページの見分け方
先ほどの見出しでは、離脱率が必然的に高くなってしまうページがあることを確認しました。
離脱率が高い(あるいは低い)場合に「改善すべきページ」と判断するための基準はどこにあるのでしょうか。以下に主な判断基準をまとめました。
- コンバージョン前のページ
- PV数の多いページ
- 滞在時間の短いページ
離脱率を改善すべきページを見つける場合には、離脱率の想定を先に決めておく必要があります。
離脱率が「高くても良いページ」あるいは「高いと改善が必要なページ」といったように分類した上で、上述の判断基準を参考に改善ページを選定しましょう。
コンバージョン前のページ
「コンバージョン前のページの離脱率が高い」ということは、単純にコンバージョンの機会を逃してしまっていることを意味しています。
また、離脱率が低くてもコンバージョンが発生しているページはCVR(コンバージョンレート)を指標として、コンバージョンアップのための改善施策を打つとより効果的です。
自然検索からの流入が多いページ
自然検索からの流入が多いページは、Webサイトへの中長期的な集客ページとして認識する必要があります。
自然検索から流入するユーザーは、新規ユーザーである傾向が高くなるため、流入したページからサイト内の別記事に遷移してもらうことが重要です。
PV数が多いページの離脱率を改善する場合は、直帰率の値も確認し、コンテンツがユーザーニーズに沿ったものであるかを判断しましょう。
滞在時間の短いページ
ユーザーのページ滞在時間が短いページは、コンテンツの量にも比例しますが、ユーザーニーズを捉えられていないために離脱されているケースがほとんどです。
「特定ページへの遷移」を目的としている記事であれば、ページ滞在時間の短さは問題となりません。
しかし、ユーザーの「知りたい(Knowクエリ)」や「やり方が知りたい(Doクエリ)」といったニーズを満たす目的の記事である場合は、コンテンツの改善が必要と判断できます。
離脱率の改善方法
ページの離脱率は以下の方法で改善することが可能です。
- EFO
- ページコンテンツの改善
- ページデザインの変更
- ページ表示速度の向上
- 内部リンクの構築
- 目的ページへの導線を設計する
離脱率の改善は、必ずしも「高い離脱率を下げること」ではありません。ページごとの「適切な離脱率」に調整することが重要となります。
EFO
EFOとは、入力フォームの最適化を意味します。ユーザーが資料請求や問い合わせを行う前に接する画面で、「フォームの入力項目数」や「ボタンのデザイン」などによって問い合わせ数が大きく変動します。
入力フォーム画面の離脱率が高い場合は、EFOを実施して離脱率の改善を図りましょう。
ページコンテンツの改善
ページのコンテンツがユーザーニーズと合っていない場合は、離脱率が高くなる傾向にあります。
離脱率は直帰率と違って、全てのセッションを対象としています。
そのため、サイト内の別記事から遷移してきたユーザーが、コンテンツの内容に満足できずに離脱するケースも想定されます。
ページコンテンツを改善する際は、どのような状態のユーザーが離脱しているのかをあらかじめ把握した上で、リライト・リニューアルを行いましょう。
ページデザインの変更
Webサイトのページデザインが、ユーザーの通読を妨げている場合があります。「流入するユーザーにとって心地良いページデザインとはどのようなものであるか」について、競合サイトや著名サイトを参考に改善していくことが重要です。
ページ表示速度の向上
ページの表示速度が遅いことが原因で、ユーザーの離脱率を高めてしまっている可能性があります。Webサイトのページ速度はGoogleが公開しているツール「ページスピードインサイト」で確認が可能です。
内部リンクの構築
内部リンクを構築することは、ページの離脱率を改善する上で有効な施策です。ページの見出しレベルで自社サイト内の別記事へのリンクを貼ることで、態度変容を起こすユーザーに効率的な価値提供が可能です。
こうした内部リンクの構築をWebサイト全体に張り巡らせることで、Webサイト全体の離脱率を下げることにもつながり、ユーザーの満足度や信頼を獲得することができます。
目的ページへの導線を設計する
ユーザーがページを離脱する理由の1つに、「サイト内の別記事に遷移するリンクが貼られていないから」というものがあります。
コンテンツを作成する際には、特定のコンテンツを読み終えたユーザーが次に取るであろう(あるいは取ってほしい)検索行動を想定して、サイト内の別記事や目的ページへのリンクを貼ることが重要です。
目的ページへの導線設計の方法には、「記事内にリンクを直接貼る」や、「ページデザインとしてCTAなどを設置する」などがあります。
まとめ
離脱率の改善を行うには、SEOツールを使ったアクセス解析が必要不可欠です。
Deep Crawlでは、SEO内部対策に特化したサービスを展開しており、「ページ表示速度の改善」や「内部リンク構築の最適化」に必要な情報を一元管理することができます。
世界水準のテクニカルSEOツールで自社のアクセス解析をアップデートしてみてはいかがでしょうか。
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